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【*pixiv +Twitterログ】無印はsiteのみ。左の記号が目印。今後の予定は【予定表】を参考にお願いします。
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雨が降っている憂鬱さに、僕、岸辺露伴は溜息をついた。
思えば随分と長く降っているものだ、
目覚めに聞いたのも雨音だったから、もうかれこれ半日以上は降り通しらしい。
カーテンを掴んでいた手をスルリと垂れて、視界に流れる無数の雨粒と同じように肩を落とした時だった。
ガチャリ…と、今自分がいる部屋のドアが開かれる音に振り返ると
見慣れない髪型をした、よく見慣れた奴がタオルを頭から被った姿でそこに立っていた。
「風呂上がったっス~、今更だけども俺が先に入っちまっても良かったんスか?」
最初の頃は随分と違和感を覚えた姿だったが、今でも少しこの感覚は抜けずにいた。
普段カッチリと決めたリーゼントは東方仗助のトレードマークでありポリシー、プライド…
それをひとたび崩せば、警戒心の解けた獣のようでなんとも優しく、
普段は隠れているベイビーフェイスをいっそう漂わせている。
「すっかりサッパリした後に言うセリフじゃあ無いだろう、
びしょ濡れのまま部屋を彷徨かれても僕が困るからな。」
「それもそうか、おかげで俺は助かったっスけどね~。
しっかしさ、いきなし降ってきやがるんだもんなぁ~…カッコ良くキメた髪型台無しになっちまったのは残念…。」
上半身Tシャツにジャージ姿で、肩まで伸びた黒髪からはシャワーの残りが滴り、雫となって床に落ちる。
上手い具合にタオルがそいつらを吸収してはいるが、それじゃ雨に打たれた後と
さして変わらないじゃあ無いかと内心思ったが言いはしなかった。
「フン…別に死にはしないだろう、それにお前には変わりない。
人格が変わっちまうというなら話は別だが…、お前は何処のどいつだ?」
「何を今更…グレートなアンタの恋人、東方仗助っス。」
当然といえばそれまでの答えを仗助の口から聞くと僕は口元を緩めて頷いてみせた。
満足そうな反応に照れるとまではいかないが指で頬を掻いて微笑むと
自分の身体で塞いだ入口から半歩外れて手招いた。
「用意出来てますからリビング行きましょ、映画観るんスよね」
「あぁ、今行くよ」
短い返事の後、少しだけ開いたカーテンを引き寄せて閉め直し部屋を後にした。
リビングには仗助の言った通り、ブランデーの用意とミネラルウォータ、
ホラー映画のDVDが数本テーブルの上に用意されていたが仗助のチョイスしたホラー映画は
本人が苦手ということもあり比較的軽目のものばかり…これでも仗助自身は精一杯なのは僕も承知している。
「さぁ~て来い、今日はどんなヤツ観るの?」
覚悟を決めたわりには表情が若干引きつっている。
その様が可笑しくて、クスリと鼻で笑うとTV横の棚から一本、DVDを選び、デッキへとセットした。
「えぇーっ;折角俺が選んだのに意味無いじゃん;!」
「お前の選ぶホラーは怖く無いんだよ、それに今日はそんな気分じゃ無いんだ」
そう言いながら、僕がDVDのパッケージを見せると
仗助の表情がキョトンとしたものに変わった。
「え、ラブロマンス…?」
「たまには良いだろう…出来た恋愛話も」
ソファーへ戻り、足を組みながらゆっくりと変わる画面に視線を合わせると
よくあるOPの配給会社画面が映り、やがてタイトルが流れ始めた。
「意外っスね、露伴でもラブロマンスなんて観るんスか」
「ホラーが一番好ましいが偏った思考にはなりたくないんでね…様々な分野の映画を観るようにしているんだ。」
僕の答えに意外さを隠せない仗助は唸るような返事をする。
抱えていたクッションを膝に下ろすと、僕と同じように画面へと視線を向けたようだった。
そこからは、まぁ、よくある展開の連続で、街中ですれ違いの出会いをした男女が
何度か偶然に街中で会って、キスしてくっついて、ケンカして離れてハプニングから再会して
雰囲気的によくなっちまってベッドイン、最終的には片方が病気で余命幾拍もない…と、思ったら助かったな…。
久しぶりに観るせいか僕の記憶が他の作品と混合しているらしい。
そんな、後数分でEDになるであろうという時、ふと横顔に視線を感じて目をやれば
いつから見ていたか知れないが仗助が此方を見つめていたのに気が付いた。
「どうしたんだ、もう少しで終わるんだから最後まで見ろよ」
「いや、もう終盤だし、何より露伴見てる方が楽しいっスもん…//」
何を言っていやがるんだとトーンに不機嫌さを交えて仗助へ言うも
相変わらず此方に視線を向けながら理由を簡単に言いのける。
優しい視線に血色の良くなった唇が僕の予想した通りの言葉を次に紡いでみせた。
「俺、露伴の事が好き、大好きっスよ」
何度目か知れないが、言われて嫌な気はしなくなった今現在、
同性の僕に対する仗助の言葉には特別な意味が込められていることも理解していた。
今観ていた映画のように山あり谷ありでも男と女、最終的にハッピーエンド。
しかし一流と呼ばれる脚本家でさえ、僕達の関係をシナリオにするのは容易じゃ無いだろう
越えられな壁を仗助はぶち壊してまで、僕を好きだと言ってくれる事は嬉しい
「つくづく単純な奴だなお前は…雰囲気に流された言葉なんざぁ僕は聴きたく無い」
「それでもいいんスよ、俺の自己満足みたいなモンだから」
言葉が終わると同時に僕の身体は引き寄せられ仗助の腕に優しく抱きしめられた。
生きていると感じる体温と心臓の脈打つ音は自然と安心感を覚えられる。
未だ濡れた髪が僕の頬に水滴を垂らしながら、仗助は尚も頬を引き寄せる。
「好き、大好きっスよ…どうしようも出来なきくらい俺はアンタが好きだ」
それは耳慣れた甘美な呪文。
耳を擽る吐息と僕だけに囁く仗助の声は実に、心地良い。
こんな雨夜の憂鬱ささえ穏やかなものに変えてくれる力を持っている
「そうか、お前は僕が好き…か、非常に残念だな」
「冷てぇーの…」
傷つけるつもりで言ったつもりは無いが、普通は気分を落とすだろう。
仗助の言葉を重いと感じた事は無い、僕もお前が好きだと気が付いてからは尚更。
言葉にすればするだけ思いは深くなるとは本当の事だと思うが
飴ばかりでは飽きてしまうだろう、たまには鞭だって必要だと僕は思う。
勿論、自己流ではあるがな…。
「勘違いするな…お前が僕を好きだという気持ちは知っている。」
包まれた腕から抜け出し、やや残念そうなしょぼくれた仗助の顔へ僕はしっかりと視線を合わせてみせた。
クライマックスを盛り上げる映画音楽の中で僕達の間には言葉は無く、ただ見つめ合うだけの沈黙の時間。
僕の恋人、東方仗助、年下、高校生、正義感の強いアツイ男、そのくせお調子者、だが人の思いに純粋な奴
興味は尽きず、好奇心からの欲求は日毎に増すばかり…とめどなく溢れ続ける、それだけは悔しいだろ。
「僕は、お前を愛してる」
そら見ろ、途端、顔が真っ赤に変わってくじゃあないか。
僕に告白した時だって、そこまで赤くはならなかっただろう。
雰囲気を出すために、滅多に見ないラブロマンスまで流し、
雰囲気作りに一役買ってもらった甲斐があった。
「ズりぃー…本っ当にズルイよ、アンタ…//;」
「分かってて流されたお前が悪いんだよ」
僕は一言、お前は幾度となく。
さて、どちらが、どれだけ酔いを回すか
時間をかけて教えてくれよ、僕をものにしたのなら
もっとお前の知らない部分をリアルに僕に見せてくれ。
【END】
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Twitterで仲良くさせていただいております、ゆおさんへのBDプレゼント仗露でした。
露伴先生宅にお泊りする夜は映画鑑賞しながらお酒飲んだり(仗助君はノンアルで)
会話を楽しんでいて欲しい。
露伴先生は仗助君が自分の事を好きだと理解している上での
あえて意地悪な言い回しで自分もそれ以上にお前が好きなんだと言わせたかった。
負けず嫌いですから、先生(ノ∀`)そして愛してると言わせたかったんだ、とっても。
書いていてとても楽しかったです。
ゆおさん、受け取って頂きありがとうございました!
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